小さくたってワンプロはお得意
- 5月21日
- 読了時間: 4分
― 小さな戦士たち ポメラニアンのポコとぽん―
アルテミス通信 第24号 CASE06

■ 3回目のアルテミス
ポコは2025年8月生まれのポメラニアンです。
今回が3回目の来所となりました。
これまで2回は日帰り利用でしたが、今回は2泊3日の滞在です。
初回は環境を確認する時間が必要でしたが、今回は到着直後から自然な様子が見られまし
た。
部屋の中でじっとしているよりも、
「外へ出たい」
という気持ちの方が強く、マットを引っ張ったり噛んだりする場面もありました。
環境への不安よりも、行動したい気持ちが前に出てきたように感じられました。
■ ポメラニアン祭りの始まり
この日は偶然、5カ月齢の女の子ポメラニアン・ぽんちゃんも来所しました。
ほぼ同世代のポメラニアン同士です。
最初の挨拶から非常に自然で、お互いの匂いを確認すると、すぐに遊びが始まりました。
まさにポメラニアン祭りの始まりです。
■ 小さな戦士たち

ぽんちゃんはとても小柄な女の子です。
飼い主様は、
ポコに「押しつぶされないだろうか」
と心配されていました。
しかし当のぽんちゃんは全く気にしていませんでした。
ジャンプし、
身体をひねり、
素早く方向を変え、
前足を伸ばして遊びを誘う。
小さな身体を自在に使いながら、堂々とポコと向き合っていました。
体格差はあっても、二頭は対等な遊び相手でした。
■ ワンプロという会話
二頭は身体をぶつけ合い、
くっつき合い、
追いかけ合い、
時にはマウントを取りながら、
長時間遊び続けました。
しかしそれは単なる興奮ではありません。
相手の動きを見て、
強く行き過ぎれば少し引き、
相手が止まれば待ち、
再び遊びを誘う。
まるで本物のプロレスのように、
お互いの出方を見ながら絶妙な手加減を繰り返していました。
犬たちは言葉を持ちません。
その代わり、
動き、
姿勢、
距離感、
表情によって会話しています。
この日のワンプロは、まさに犬たちの会話そのものでした。
■ アマーリエ(ジャーマンシェパード)とのごあいさつ

ぽんちゃんの飼い主様は、
「アマーリエに噛まれないだろうか」
と心配されていました。
しかしぽんちゃんは自然にアマーリエへ近づき、上手に挨拶をしていました。
時にはアマーリエから
「近すぎるよ」
という低い唸り声が返ることもありました。
するとぽんちゃんは軽く飛びのき、距離を取り、また自然に戻ってきます。
怖がって逃げるのではなく、相手の意思を受け取りながら関係を作っている様子でした。
子犬らしい柔軟さと適応力が感じられる場面でした。
■ 飼い主さんの心配
ぽんちゃんの飼い主様は、最初はずっと犬たちの様子を見守っておられました。
「押しつぶされないだろうか」
「アマーリエに叱られないだろうか」
「地面を嗅いで何か食べてしまわないだろうか」
犬を大切に思うからこその心配です。
しかし時間が経つにつれ、その表情は少しずつ変わっていきました。

■ 犬を信じて見守る
ポコもポンも自分で距離を調整し、
自分で遊びを作り、
自分で関係を築いていました。
そして飼い主様も次第に、
犬たちの主体性を信じて見守るようになっていきました。
人は犬を守ろうとします。
それは大切な愛情です。
しかし時には、
守ることよりも、
信じて見守ることが必要な場面もあります。
この日、その変化を目の前で見ることができました。
■ ポコが戻ろうとした理由
2泊3日の滞在を終え、ポコは飼い主様との再会を大喜びしました。
しかし帰る直前、何度もワンダーランドの方を振り返り、中へ戻ろうとする様子が見られました。
もちろん飼い主様に会えたことは嬉しかったはずです。
その一方で、
ここで自由に歩き、匂いを嗅ぎ、犬たちと遊び、
自分で選択しながら過ごした時間もまた、ポコにとって心地よいものになっていたのでしょう。
■ 犬たちが作った世界
途中、食事を期待する場面を除けば、ポコもぽんちゃんもほとんど人間を見ませんでした。
飼い主様も、
私たちスタッフも、
そこには存在していないかのようでした。
二頭が見ていたのは、お互いです。
遊び、
会話し、
距離を調整しながら過ごした時間。
この日ワンダーランドに広がっていたのは、人間が作った遊びではなく、犬たち自身が作った穏やかな社会でした。
小さな戦士たちは、その世界を存分に楽しんでいたのです




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