THE 子犬 -カイの5日間-
- 7月23日
- 読了時間: 4分
更新日:7月24日
ーAWパピーコースー
アルテミス通信第 44号

はじめは、ごく普通の犬でした
5か月のミニチュア・シュナウザー、カイ
初めてAPCに来た日は、飼い主さんと離れて少し寂しそうにしていました。
部屋に入れたときには甘啼きしていました。
でも翌日には歩き始め、匂いを嗅ぎ、環境を探索し始めます。
子どもの順応性とは、本当に素晴らしいものです。
好奇心いっぱいの毎日
カイは、とにかく何にでも興味を示しました。
私が歩けば、後ろをちょろちょろ。
掃除を始めれば、モップやほうきに飛びつき、先をくわえて離しません。
仕事にならなくて困ることもありましたが、それも今では笑顔になるような光景でした。
遊び疲れると、今度は私の横へちょこんと座ります。
「撫でて。」
そう言っているような表情で見上げる姿も、本当に愛らしいものでした。
甘噛みも大切な勉強
興奮すると、時々私の手に歯を当てることがありました。
そのたびに伝え続けると、カイは「いけなかった」と理解した時、自分からへそテンを見せるようになりました。
素直に学び、素直に反省する。
その柔軟さも、この時期ならではの魅力です。
犬の社交場での発見
パピーコース3日目。
社会性も身につき始めていたので、「今日はもう大丈夫だろう」と思い、犬の社交場へ参加しました。
ところが、結果は私の予想とは少し違いました。
遊びたい気持ちが強すぎたのです。
きなこやぽん、エマを何度も遊びに誘いますが、まだ力加減や相手との距離の取り方が分かりません。
小型犬たちは少し戸惑い、カイも思うように遊ぶことができませんでした。

社会性が育つことと、相手に合わせて遊べることは、また別の成長段階なのだと、私自身も改めて学ばせてもらいました。
興奮を少し落ち着かせるため、一度部屋で休憩することにしました。
カイは素直に部屋へ入りましたが、窓から外で遊ぶ犬たちの様子をじっと見つめていました。
不思議なことに、吠えることも騒ぐこともありません。
ただ静かに、みんなの様子を見つめているのです。
その表情は、どこか少し寂しそうで、
「まだみんなと遊びたい。」
そんな気持ちが伝わってくるようでした。
その姿を見ていると、少しかわいそうにも思えましたが、気持ちを落ち着かせる時間もまた、カイにとって大切な経験だったのだと思います。

犬たちが育ててくれた5日間
一方、ボクサーのBUFFYは終始優しく受け入れてくれました。
安心したように6歳のBUFFYのそばで過ごす姿も印象的でした。
そして終盤には、1歳のゴールデン・レトリバー、モカと出会います。
カイはモカが大好きになり、どこへ行くにも後をついて歩きます。
モカもそんなカイを受け入れ、何度もワンプロに付き合ってくれました。
大型犬との接し方や遊び方を、犬同士の関わりの中で自然に学んでいったのでしょう。
こうして5日間で、カイは小型犬とも大型犬とも向き合える土台を築いていきました。
お迎えの日には、嬉しそうに飼い主さんのもとへ帰っていきました。
後日、「家で足を甘噛みすることがなくなりました。」というお話を伺い、とても嬉しく思いました。
もちろん、やんちゃなところはそのままです。
でも、それがカイらしさなのです。

THE 子犬
カイは、本当に「THE 子犬」という言葉がぴったりの子でした。
遊びたい。
走りたい。
犬が好き。
人も好き。
時には遊びたい気持ちが強すぎて失敗もする。
それでも叱られれば素直に反省し、また元気いっぱいに走り出す。
アマーリエが気持ちよさそうに寝ていても、お構いなしです。
まるで小さな山を越えるように、何度もまたいで走っていきました。
その一つひとつの動きが、この時期にしか見ることのできない輝きでした。

犬からのプレゼント
この頃は、家具を噛み、スリッパをくわえ、色々なものを破壊します。
その時は「困ったな」と思うことばかりかもしれません。
でも、その時間は驚くほど短く過ぎていきます。
成長すれば、そんな姿も少しずつ見られなくなります。
家具についた小さな噛み跡。
その時は困ったいたずらでも、何年か後には、
「ここを噛んでいたな。」
「掃除をすると、いつも邪魔をしに来たな。」
そんな思い出とともに、その子の姿を思い出させてくれる大切な贈り物になります。
犬たちは、思い出だけではなく、形に残る小さな傷跡も、飼い主へのプレゼントとして残してくれます。
その傷跡は、その子が確かにそこにいた証なのです。
そして、カイは私にとって、
アマーリエが最後に関わった子犬になりました。
そのことも、この5日間を忘れられない大切な思い出として、心に残っています。





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