top of page
Artemis-C1.png

プロムナードメソッド ― 犬が落ち着く環境づくり

  • 3月20日
  • 読了時間: 4分

アルテミス通信 第4号


アルテミスペットセンターでは、犬が安心して過ごせるように「プロムナードメソッド」と呼んでいる方法で犬たちを迎えています。新しく来た犬を、いきなり犬の群れの中に入れることはありません。


まずプロムナード(散策スペース)で環境を確認してもらいます。


犬は歩きながら・匂いを嗅ぐ・周囲を観察する・他の犬との距離を判断する


この過程を通して環境を理解していきます。犬にとって「理解できる環境」は安心につながります。


焦らず、自分のペースで状況を把握することがとても大切です。



常在犬の役割


アルテミスには常在犬がいます。その中心になるのがシェパードのアマーリエと、プードルミックスのアンボワーズです。


初めて来た犬がいると、まずこの2頭がゆっくり近づき、匂いを確認します。これは犬同士の自然な挨拶です。


アマーリエは穏やかで包容力のある性格です。一方、アンボワーズは少し気の強いところがあり、相手の様子をしっかり見ます。


この二頭の存在によって、多くの犬が最初の緊張を解き、落ち着きを取り戻していきます。

面白いことに、飼い主さんの多くはアマーリエを見て「大きいですね」と言いながらも、すぐに「かわいいですね」と言ってくださいます。


そして気がつくと、自分の犬をアマーリエに任せるような気持ちになっていることがあります。犬同士の関係が自然に始まる瞬間です。


犬同士の静かなコミュニケーション


犬同士は、人が思っている以上に細かなサインを使ってコミュニケーションしています。匂いの確認、体の向き、距離の取り方などを通して、お互いの状態を理解していきます。


アルテミスで犬たちを見ていると、誰も声を出さない静かな空間の中で、犬同士が自然に関係を築いていく場面があります。


人間の言葉はなくても、犬たちは十分にお互いを理解しています。その静かな交流の時間は、見ていて本当に美しいものです。


アルテミスでは、この自然なコミュニケーションを尊重し、必要なときだけ人が介入します。


人との信頼関係


プロムナードの中で過ごしていると、犬たちはとても自然な状態になっていきます。


自分の意思で歩き、匂いを嗅ぎ、風を感じ、光の中で過ごす。そして必要に応じて、他の犬と距離を取りながら関係を築いていく。


そこには強制も指示もありません。犬が主導する、自由で穏やかな世界があります。

この環境の中で犬たちは少しずつ落ち着き、本来の状態に戻っていきます。


そしてその延長線上で、人との関係も自然に変わっていきます。


私が庭で作業をしていると、犬たちはいつの間にか静かに集まり、それぞれの場所で落ち着いて過ごしています。


呼ぶわけでもなく、指示を出すわけでもありません。ただ同じ空間にいるだけです。

それでもそこには、確かなつながりがあります。


犬とのコミュニケーションで、私が最も大切にしているのは信頼関係です。


言葉がなくても、心が通じていると感じる瞬間があります。


それは「何かをした結果」ではなく、犬が安心できる環境の中で自然に生まれるものだと感じています。


犬たちもまた、そうした静かな信頼関係の中で過ごすことを求めているように思います。

さまざまな犬を受け入れています


アルテミスには、いろいろな犬が来ます。


例えば

・他の犬が苦手な犬

・噛み癖があると言われている犬

・散歩がうまくできない犬

・飼い主に唸ってしまう犬

・外の環境に慣れていない犬


こうした犬でも、環境を理解していくことで落ち着いてくることがあります。


犬の行動は「性格」だけで決まるわけではありません。環境によって変わる部分も多いのです。


清潔な施設


アルテミスでは施設の清潔を非常に大切にしています。入口だけではなく、犬たちが過ごす場所も含めて、常に清潔な状態を保っています。


私は動物の強い臭いが苦手なため、施設の衛生管理には特に神経を使っています。


また、飼い主の方が来られた際には、犬たちが過ごしている場所を実際に見ていただいています。どのような環境で過ごしているのかを隠さず、すべて見ていただくことを大切にしています。


犬は環境で変わる


アルテミスで犬たちを見ていると、犬の行動は環境によって変わることを実感します。


最初は緊張していた犬も、環境を理解し、周囲の犬と関係を築くことで、少しずつ落ち着いていきます。


犬が本来持っている穏やかさや社会性は、適切な環境の中で自然に現れてきます。


プロムナードには、犬が本来求めている要素がすべてあります。


  • 自由に動けること、

  • 自然を感じられること、

  • そして他の犬と無理なく関係を築けること。

  • 光や風の中で、自分の意思で過ごせる環境。


それこそが、犬にとって本来あるべき世界なのだと思います。


アルテミスでは、その環境の中で、犬たちが自分自身を取り戻していく姿を見ることができます。

 

 
 
 

最新記事

すべて表示
犬は何を嗅いでいるのか― 嗅覚コミュニケーションと生活環境

アルテミス通信 第3号 散歩中、犬が地面や草の匂いを長く嗅ぎ続けることがあります。飼い主から見ると「何をそんなに嗅いでいるのだろう」と不思議に感じるかもしれません。 しかし犬にとって匂いは、周囲の状況や他の個体について多くの情報を得るための重要な手段です。 犬は視覚や聴覚だけでなく、嗅覚を通して世界を理解する動物です。 人間とは、感覚の優先順位そのものが異なります。   犬は「匂いで生きている」

 
 
 
犬のあいさつ ― 社会性と環境の関係

アルテミス通信 第2号 犬同士の関係は、最初の「あいさつ」で大きく左右されます。 ペットホテルで新しい犬を迎える際、最初の出会いの場面は特に慎重に観察する必要があります。 犬は言葉を使わず、匂い、姿勢、距離の取り方などを通して相手の状態を判断します。 この最初のコミュニケーションが、その後の関係の安定に大きく影響します。 段階的な挨拶 アルテミスペットセンターでは、新しく来た犬を群れに入れる際、い

 
 
 

コメント


bottom of page