犬学⑩ 犬の性格をどのように理解するか
- 3月20日
- 読了時間: 3分
更新日:6月14日
― 犬は本当に優しい犬なのか ―
アルテミス通信 第4号―

■ はじめに
「この子は本当に優しいですね」
アルテミスに来られる方から、常在犬のアマーリエ(ジャーマンシェパード)やアンボワーズ (ミックス小型犬)を見てそう言われることがあります。
確かに彼らは落ち着いています。
無理に関わろうとせず、相手を追い回すこともありません。
不安そうな犬がいれば距離を取り、静かに見守っています。
その姿は人間には優しさのように見えます。
しかし私は時々考えます。
本当に犬に「優しい犬」や「意地悪な犬」という分類はあるのでしょうか。
犬を長く観察していると、人間が考える性格というものと、犬の性格は少し違うように感じるのです。
■ 私たちは犬を性格で理解しようとする
人間は相手を理解するとき、
優しい人
怖い人
社交的な人
真面目な人
というように性格で分類します。
そして犬にも同じように、
優しい犬
臆病な犬
気が強い犬
良い子
というラベルを貼ろうとします。
しかし犬を観察していると、その方法では説明できない場面に何度も出会います。
同じ犬がある場面では穏やかに見え、別の場面では厳しく見えることがあるからです。
■ アマーリエは優しい犬なのか
アマーリエは多くの犬を受け入れます。
初めて来た犬に対しても落ち着いて接し、必要以上に干渉することはありません。
しかしアマーリエも、相手によって態度を変えます。
しつこく関わってくる犬には制止を行います。
関わりたくない相手には距離を取ります。
必要であれば、はっきり意思表示もします。
それでもアマーリエ自身が変わったわけではありません。
相手と状況が変わっただけです。
穏やかなゴールデンレトリバーが、ぬいぐるみを咥えると激しく首を振ることがあります。
人間から見れば残酷な行動に見えるかもしれません。
しかし犬にとっては自然な行動です。
優しい犬が突然変わったのではありません。
私たちが一つの面しか見ていなかっただけなのです。
■ 犬の性格とは何か
私は犬の性格とは、「何をする犬か」
ではなく、
「どのように反応する傾向を持つか」
だと考えています。
新しい環境に入った時。
初めての犬に出会った時。
不安になった時。
驚いた時。
犬たちはそれぞれ異なる反応を示します。
すぐに探索を始める犬もいます。
慎重に様子を見る犬もいます。
人を頼る犬もいます。
一人で解決しようとする犬もいます。
犬は相手によって態度を変えます。
状況によって行動を変えます。
それは気まぐれだからではありません。
その場に応じて行動を選択しているからです。
私はそこに、その犬らしさが表れているように思います。
■ おわりに
犬を理解しようとするとき、私たちはつい性格のラベルを貼りたくなります。
しかし犬たちは、人間が考えるほど単純ではありません。
相手が変われば行動も変わります。
状況が変われば対応も変わります。
犬には一つの顔だけではなく、多くの顔があります。
犬の性格を理解するとは、
「優しい犬」
「怖い犬」
「良い子」
と分類することではなく、その犬がどのような状況で、どのような反応を示すのかを観察することなのかもしれません。
人間の価値観で犬を判断するのではなく、
犬を犬として見ること。
それが犬を理解する第一歩なのだと私は思います。




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