犬は犬が苦手なのではない
- 4月23日
- 読了時間: 3分
― 距離を失ったとき、犬社会は崩れます ―
アルテミス通信12号

■ はじめに
「うちの子は犬が苦手で…」ペットホテルでよく聞く言葉です。
しかし実際に観察していると、
多くの場合、
👉 犬が苦手なのではありません
👉 距離を取れない状態になっています
犬社会では、「関わること」より、
👉 “離れられること”のほうが重要です。
■ 犬社会は“距離”で成り立っている
犬同士は、
常にべったり関わっているわけではありません。
・挨拶をする
・匂いを確認する
・距離を保つ
それだけで関係は成立しています。
人間は、
👉 仲良く遊ぶことを社会性だと考えがちです。
しかし犬社会では、
👉 無理に関わらないこと
も重要な社会性です。
■ 犬は声ではなく“空間”で会話している
犬は、
・距離
・視線
・体の向き
・歩く速度
・止まる位置
で関係を調整しています。
つまり犬社会は、
👉 空間そのものが会話なのです。
そのため、
距離を自由に調整できる犬同士では、
大きな衝突はほとんど起きません。
■ 犬のコミュニケーションは段階的です
犬は最初から攻撃しません。
できるだけ小さなサインで終わらせようとします。
・視線を外す
・体を横に向ける
・距離を取る
・固まる(フリーズ)
・低く唸る
・歯を見せる
それでも伝わらないとき、
初めて噛むという行動になります。
👉 本来は途中で終わる会話です
■ 歯をむくのは“最後の距離調整”
歯をむく行動は、
攻撃ではありません。
👉 「これ以上近づかないでほしい」
という最終段階のサインです。
正常な犬同士では、相手はそこで離れます。
それで関係は保たれます。
つまり犬は、
👉 関係を壊さないためにサインを出しているのです。
■ 問題が起きるとき
問題は、
👉 距離を取れないときに起きます。
例えば、
・リードで近づけられる
・抱っこで逃げられない
・狭い空間へ押し込まれる
・人が過剰に介入する
こうした状況では、
犬本来の距離調整ができなくなります。
すると、
👉 会話が飛びます
視線を外す。
距離を取る。
低く唸る。
本来あるはずの段階が成立しません。
その結果、
👉 いきなり強い反応に見えるのです。
■ クーちゃんのケース
トイプードルミックスのクーちゃんは、
最初、
・犬との距離の取り方が分からない
・人との関係も不安定
という状態でした。
そのため、
人にもアマーリエにも牙をむいていました。
しかしこれは、
👉 攻撃性ではありません
👉 距離調整ができない状態でした
アルテミスでは、
無理に近づけません。
逃げられる距離があります。
関わらない自由があります。
するとクーちゃんは、
少しずつ自分で距離を選び始めました。
そして最終的には、
👉 自分から近づいてくるようになりました
ここで重要なのは、
👉 人に慣れたことではありません
👉 自分で距離を決められるようになったことです
■ 「犬嫌い」に見えているだけかもしれない
犬は、誰とでも仲良くなる必要はありません。
遊ばなくても問題ありません。
距離を保ちながら、
争いを避けて安定している。
それが本来の犬社会です。
しかし人間は、
👉 仲良くさせよう
👉 遊ばせよう
👉 近づけよう
としがちです。
その結果、
犬は距離を失います。
そして、
👉 “犬嫌い”
に見える状態が生まれていくのです。
■ アルテミスで見えていること
アルテミスでは、
・逃げられる
・距離がある
・無理に関わらない
という環境があります。
すると犬たちは、
必要以上に吠えません。
無理に支配しようともしません。
犬社会は、
👉 仲良しで成り立っているのではありません
👉 距離を保てることで安定しているのです。




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