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犬学⑦ 犬の散歩とは何か?

4月29日
読了時間: 3分

更新日:6月12日

― 人と犬が見ている“まったく違う世界”


アルテミス通信 第16号



■ はじめに


散歩は、多くの飼い主にとって


👉 楽しい時間

👉 絆を深める時間


だと思います。


しかし実際には、


👉 人と犬は、まったく違う世界を見ています。


同じ道を歩いていても、


人は前を見て歩き、


犬は周囲の環境を読みながら歩いています。


散歩という同じ行動の中で、人と犬はまったく違う体験をしているのです。


■ 人は直線、犬は円


人は、


👉 前を見て

👉 道に沿って

👉 直線的に歩きます。


一方、犬は


👉 頭を下げ

👉 匂いを追い

👉 あちらこちらへ方向を変えながら歩きます。


立ち止まり、近づき、離れ、また戻る。


人間から見ると非効率に見える行動ですが、犬にとっては自然な情報収集の方法です。


これは能力の違いではなく、


👉 情報の取り方の違いなのです。


■ 犬にとっての散歩


犬にとって散歩とは、


👉 匂いを読む時間

👉 環境を理解する時間


です。


私はよく、


👉 「犬にとっての散歩は新聞を読む時間」


と表現しています。


  • そこに誰がいたのか。

  • いつ通ったのか。

  • どんな状態だったのか。


犬たちは匂いから膨大な情報を読み取っています。


散歩とは単なる移動ではなく、


👉 世界を知るための時間なのです。


■ アスファルトという環境


土や草地には多くの情報が残っています。


👉 他の動物の痕跡

👉 時間の経過

👉 環境の変化

👉 さまざまな匂い


犬たちはそれらを読み取りながら行動しています。


一方でアスファルトは、土や草地に比べると犬が利用できる情報が少ない環境です。


人間にとっては歩きやすい場所ですが、犬にとっては必ずしも情報量の多い場所とは言えません。


■ ガーデンパークで見た光景


ある公園で印象的な光景がありました。


そこは非常に広い空間でしたが、


👉 人が歩く道はアスファルト

👉 木陰が遠い

👉 日差しを避ける場所が少ない


という環境でした。


犬たちはしばしば、


👉 木陰へ向かおうとし

👉 草のある場所へ進もうとし

👉 斜めの方向へ動こうとします。


しかしリードやハーネスによって進行方向は固定されています。


その結果、体が斜めになったまま歩いている犬もいました。


多くの人はそれを「引っ張っている」と考えます。


しかし私には違って見えました。


犬はわがままで進路を変えようとしているのではありません。


👉 犬なりに情報のある場所を選ぼうとしている


ように見えたのです。


行きたい方向を選ぶ犬と、


進ませたい方向を決めている人。


そこには大きな認識の違いがあります。


■ 広さは本当に必要か


ここで考える必要があります。


👉 広いこと=良い環境なのでしょうか。


特に小型犬にとっては、


👉 広すぎる空間

👉 日陰までの距離

👉 隠れ場所の少なさ


は、必ずしも安心できる環境とは限りません。


むしろ、


👉 小さくても

👉 匂いがあり

👉 選択できる余白がある空間


の方が落ち着いて過ごせる場合があります。


重要なのは面積ではなく、


👉 犬が環境を利用できるかどうかなのかもしれません。


■ 本来の散歩とは


散歩とは、


👉 距離ではなく理解です。


犬に必要なのは、


👉 匂いを読む時間

👉 自分で方向を選ぶ余白

👉 環境を確認する機会です。


人間が思う「たくさん歩くこと」と、


犬が必要としている「環境を理解すること」は、必ずしも同じではありません。


■ 最後に


人が歩いている道と、


犬が見ている世界は、


同じようでいて、まったく違います。


犬は今日も匂いを読みながら、自分なりに世界を理解しようとしているのです。


 
 
 

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