犬学⑨ 犬は人をどう見ているのか?
- 4月23日
- 読了時間: 3分
更新日:6月15日
― 犬は家族という概念を持っているのだろうか ―
アルテミス通信 13号

■ はじめに
犬は家族。
そう考えている方はとても多いと思います。
それは犬を大切に思う自然な気持ちでもあります。
しかし私は多くの犬たちを観察する中で、一つの疑問を持つようになりました。
犬も人間と同じように「家族」を理解しているのでしょうか。
私たちは無意識のうちに、犬も家族の一員であり、人間と同じように家族関係を理解していると考えています。
けれど犬が見ている世界は、私たちとは少し違うのかもしれません。
■ 人間が考える家族
人間にとって家族とは、
父母、子供、兄弟姉妹など、
それぞれの関係によって成り立つ集団です。
私たちは日常の中で、
親子関係や夫婦関係を理解しながら生活しています。
そのため、
「家族の中で一番偉い人に犬も従うはず」
「親の言うことを子供が聞くように犬も聞くはず」
と考えることがあります。
しかし犬も同じように家族を見ているのでしょうか。
■ 犬が見ているのは個々の関係
私は犬たちを観察する中で、
犬は家族という構造そのものよりも、
自分と相手との関係を見ているように感じています。
人間は家族の関係性を見ます。
一方で犬は、
目の前の相手が自分にとってどのような存在なのかを見ているのかもしれません。
実際に同じ家庭の中でも、
ある人には甘え、
ある人には距離を置き、
また別の人とはよく遊ぶ犬がいます。
犬たちは家族全体と関係を作るというより、
一人ひとりと別々の関係を築いているように見えるのです。
■ 犬が安心する関係
犬が落ち着いている関係には共通点があります。
それは、
相手の行動が予測できることです。
どう接すればよいか分かる。
反応が大きく変わらない。
必要以上に干渉されない。
そのような関係の中で犬は安心します。
反対に、
毎回反応が違う。
常に構われる。
突然抱き上げられる。
過剰に注目される。
そのような状況では犬は落ち着きを失いやすくなります。
■ アルテミスで見えてくること
アルテミスで落ち着いていく犬たちにも共通点があります。
それは、
人との関係がシンプルになることです。
無理に構われない。
過度に反応されない。
犬自身が行動を選択できる。
そのような環境の中で、
犬たちは自分で考え、
自分で環境を理解し、
少しずつ安定していきます。
私はその変化を何度も見てきました。
■ おわりに
犬を家族だと思うことは、とても素敵なことです。
しかし、
犬が人間と同じ意味で家族を理解しているとは限りません。
犬が見ているのは、
家族という仕組みではなく、
目の前の一人ひとりとの関係なのかもしれません。
だからこそ私たちは、
「家族だから分かり合える」と考えるのではなく、
犬という動物が何を見て、何を感じているのかを観察し続ける必要があるのだと思います。




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