犬学⑬ 犬の身体は飾りではなく備蓄である
- 7月5日
- 読了時間: 3分
ー食事制限と食べ物への執着を考えるー
アルテミス通信 第40号

私が最初に見るもの
私は犬を見た時、まず身体つきを見ます。
肋骨は浮いていないだろうか。
筋肉は十分についているだろうか。
この子に生きるための備蓄はあるだろうか。
犬は人間のように病気になったら点滴で何年も生きられる動物ではありません。
食べられなくなれば、自らの脂肪や筋肉を使いながら生きようとします。
健康な時に作った身体こそが、その犬の備蓄なのです。
だから私は痩せた犬を見ると心配になります。
計量カップが決める食事
最近、食糞や拾い食い、食べ物への執着について相談を受けることがよくあります。
しかし実際に犬を見ると、痩せていることが少なくありません。
飼い主さんは驚きます。
なぜなら毎日きちんとフードを与えているからです。
フードの袋に書かれた量。
計量カップの目盛り。
その数字が正しいと信じています。
しかし犬は工業製品ではありません。
年齢も違えば活動量も違います。
季節によって必要なエネルギーも変わります。
私は計量カップより先に犬の身体を見ます。
犬は食事をコントロールできる
多くの人は犬は食べるだけ食べる動物だと思っています。
だから食事を管理しなければならないと考えます。
しかし私の経験では、健康な犬の多くは自分で食事をコントロールする能力を持っていま
す。
十分な食事が継続して与えられる環境では、食べ物への執着は次第に薄れていきます。
反対に不足した状態が続けば、食べ物への関心は強くなります。
それは問題行動ではありません。
生き物として自然な反応です。
結果ではなく原因を見る
犬が急いで食べる。
吐いてしまう。
すると消化が悪いと言われます。
フードをふやかす。
食事量を減らす。
早食い防止食器を使う。
しかし私はその前に考えます。
その犬は本当に足りているのだろうか。
空腹だから急いで食べているのではないだろうか。
私たちは結果ばかりを見て、その原因を見落としていることがあります。
犬を信じる
私は肥満を勧めているのではありません。
けれど、痩せていることが健康だとも思っていません。
犬の身体は見た目のためにあるのではありません。
生きるための備蓄です。
そして私は、犬を信じています。
自分で休み、自分で歩き、自分で考えるように、多くの犬は自分の身体に必要な食事を知っています。
だから私は計量カップではなく、まず犬そのものを見るのです。
終わりに
もし食糞や拾い食い、食べ物への執着に悩んでいるのであれば、一度犬の身体を見直してみてください。
肋骨は浮いていないでしょうか。
腰は細くなりすぎていないでしょうか。
筋肉は十分についているでしょうか。
フードの袋や計量カップは目安にはなります。
しかし本当に大切なのは、目の前にいる犬自身です。
数字に合わせて食事を決めるのではなく、その犬の身体に合わせて食事を考える。
そこから見えてくるものがあるかもしれません。




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